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勉強する順番
 「彼」は毎日の勉強の順番もだいたい一定にしていた。

まずは漢字の問題集。解いて丸付けして間違えたものは練習。

次に国語の読解問題。解いて答え合わせ。

数学の問題演習。ここでは基本的なもの。

社会の問題演習。解いて答え合わせして間違えたものは復習。

理科の問題演習。解いて答え合わせして間違えたものは復習。

英語の問題演習。解いて答え合わせして間違えたものは復習。

英単語と熟語の暗記。

数学の難しめの問題を少し。

これでだいたい4時間から5時間コース。




何も特別なことはない。ひたすら毎日繰り返していくだけ。

ただ、順番を見るとわかるとおり、受験当日の科目順を意識して組み立てていたようだ。

また、休憩時間も基本的に50分やって10分休憩。このリズムを絶対に守る。

これも埼玉県の入試の試験時間に合わせていた。

むだに長時間集中しても、結局本番での実力発揮にはつながらないということらしい。50分間で集中を高め、50分間で力を出し切る。休憩してまた次の50分で集中を高める。その繰り返しを意識していた。

定期テストの時のような基礎固めにかける時間が少ないのは、定期テストの勉強を通じて覚えるべきことを丹念に覚え込んできたと言うこともあるのだろう。

問題演習を通じて、暗記の穴をうめることと、覚えたものをきちんと使える状態に整理するということを意識していたのだと思う。

一見単調なのだが、いくつかの工夫というか、「彼」なりのこだわりが隠されていた。

以前にも書いたが、塾生に指示する勉強のしかたは「彼」の勉強法がもとになっている。

だが、定期テスト勉強を通じてしっかり知識を蓄えていたからできたこの勉強法を、そのまま今の受験生に要求はできない。

したがって、今の受験生には、基礎固めのために時間を割くような学習計画にアレンジしてある。

また、昔は英語の長文がかなり短かったし、リスニングもたいした問題ではなかったので、英語の音読は重視していなかった。

ここも変更を加えて、音読重視の英語の勉強にアレンジしてある。


author:おかじま, category:ある卒塾生の「勉強法」覚書, 23:07
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日々勉強し続けるためのノルマ
 「彼」は勉強を進めるにあたって、まずは一日のノルマを各教科で決めていった。

一冊の問題集で、例えば1か月で終わらせるべきだと考えたときに、一日何ページ、あるいは一日何問、もしくは1日に何項目ずつ進めればいいか、総ページ(問題・項目)数を日数で割って算出していた。

しかも一日にこなす量を少なめにしておき、うまく行かないこともあるだろうと予備日も設けつつノルマを決めていく。

そして、そのノルマが早く終われば、その日の勉強はやめてしまうし、終わらなければ一日の勉強時間を5時間を限度(高校受験時は)にしていたので、その時点で勉強をストップしてしまう。

端から見れば中途半端に見えることもあるのだが、「彼」自身の中では考え方は貫かれていて、やるべきことはやるし、無理は絶対にしない、と言うのが口癖だった。

実際に勉強を進めると、この「やるべきことはやる」というのが意外にしんどい。

受験勉強は毎日勉強し続けるので、「やるべきことをやる」を毎日ほとんど例外もなく続けることが難しいのだ。

だから「彼」は一日のノルマは軽めに設定しておくし、無理は絶対にしないというのだ。

毎日毎日、同じようなリズムで、勉強を積み重ねていく。

これはある意味「狂気」のようなものなのかもしれない。

ぱっと見ではわからないが、確実に「彼」の中に存在する。

プライドとか、奢りとか、そういったものも感じさせないが、「彼」は自分の勉強のレベルをそうやって高みにたどり着かせていった。
author:おかじま, category:ある卒塾生の「勉強法」覚書, 22:58
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また書いてみようと思う
 ずいぶん前にこの記事から始まって、しばらくの間『ある卒業生の「勉強法」覚書』として何回か書き連ねた。

かなり前に書いた記事なので、読んでいない塾生やお家の方もいるだろう。

一方で、アクセス解析を見ると、これらの記事は今でもある一定のペースで読まれているようだ。

ここらで再び「彼」の勉強法について、何度か書いていこうと思う。

定期テスト勉強についてが以前の記事だったので、今回からは時期的にも「彼」の受験勉強について書いていこうと思う。

まあ、「彼」の勉強法は、けっこう地味なので、どこまで参考になるかわからないのだが、「彼」を間近で見てきた私が、思い出す範囲で書いてみたい。

「彼」の受験勉強でまず言えるのは、ほとんど一定のペースで勉強を続けていたということだ。

一日の勉強時間は、受験前のこの時期で4時間前後。

各科目ごとに一日のノルマが決まっていて、無意味に勉強時間が長くなるということを嫌っていた。

ノルマが片付けば、塾の自習室で本を読んでいたり、誰が持ってきたのかジャンプやマガジンなどの漫画も読んでいたりもした。

読んでいて、先代の塾長(私の父です)に見つかって怒られていたこともあった。

毎日のように私たちは自習室に集まり勉強していたが、みんなで休憩時間に缶蹴りをしたり、ストーブでもちを焼いてみんなで食べたりと、私はそんなことばかり覚えている。

そんな中「彼」ひたすら毎日のノルマをこなしていた。

どの科目にも必ず触れるということも重要で、科目の偏りがあまりでないようにしていたようだ。また、定期テスト準備と同じで徹底した基礎重視の勉強だった。

そしてそのノルマは、科目ごとにすると意外なほど少なかった。

次回はそのノルマについて書いていこう。

author:おかじま, category:ある卒塾生の「勉強法」覚書, 22:58
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テスト1週間前に
 テスト勉強第4週、

テスト1週間前に「彼」がまずやるのは、当然テスト範囲の確認。

1週間前になれば学校からテスト範囲が配られる。

それまでは仮のテスト範囲で勉強していたから、ずれを修正する。

科目ごとに見ていくと、

テスト範囲の国語の教科書に、どんどん書き込みをしていく。

学校のワーク、ノート、問題集、語句の意味、指示語の指すところなど、

とにかく教科書に線を引いたり印をつけたり、小さい字で書き込んだりしていった。

そして書き込み済みの教科書をまたひたすら音読していった。

数学は学校のワークや学校の先生のプリントなどで最終確認に入る。

問題のレベルにはこだわらない。ミスをしないことにこだわる。

それまでの数学の勉強が「攻め」なら、この時期は「守り」。

失点を防ぐのだ。

英語は確定したテスト範囲を音読。紙に書いて覚えている確認。

理科は学校で配られたワークシートを繰り返し解く。

このワークシートは私も解いたがけっこう良かった記憶がある。

今から考えるとどこかの業者ものなんだろうけど。

社会は確定した範囲をチェックシートで確認。

また、社会は学校の先生独自のものが出ることがあったので、

学校で配布されたプリントやノートで知識を補足していた。

また、今ほどうるさくなかったが、ノートやワークの提出物がある科目は、

その仕上げも忘れないようにするのが1週間前のテスト勉強だったようだ。

「彼」の場合、実際にはテストの2週間ほど前には定期テストを受ける準備は

ほとんど整っている感じがしていた。

だから、ラスト1週はひたすら完璧を目指して仕上げていく感じだった。

オールラウンドに勉強を仕上げていき、

最後に学校の授業にあわせて調整するイメージを持っていたのかもしれない。

author:おかじま, category:ある卒塾生の「勉強法」覚書, 23:24
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わからないをころがす
 さて、「彼」の定期テスト勉強法も第3週に入ってきた。

定期テスト2週間前だ。

「彼」の通っていた中学校は一週間前にならないと範囲が出なかったので、

仮テスト範囲で勉強を進めていた。

第3週に「彼」がすることは、問題演習だ。

しかも、学校の定期テストレベルはもちろんのこと、それ以上の難問にも

どんどんチャレンジしていた。

特に数学は、まちがえた問題は答えを確認し、自力で解けるまで繰り返していた。

しかも、自力で解けるようになったら、翌日にもう一度やってみる念の入れよう。

とにかくしつこくやっていた。

理社は教科書を音読して、チェックシートで確認。

ハイレベルな問題演習もこなす。

英語も教科書の音読を続けつつ、やはりハイレベルな問題演習。

国語だけは文法問題以外の問題演習をほとんどやらずに教科書の音読を繰り返していた。



ハイレベルなものにチャレンジしていたから、わからないものもあったようだが、

「彼」は、わからないものは、その場でわかった気にならないようにしていた。

わからないものは頭の中で転がしておくのだ。

中学時代にはこういう表現で「彼」は言わなかったが、

その頃、そばで見ていた私が、今思い返してみると、

「わからないものを頭の中で転がしておく」という表現がふさわしいような気がするのだ。

わからないものを無視するのではなく、

頭の中に転がしておく。

そうすると「彼」はとんでもないときに「わかった」と言って

解決しているときがよくあったのだ。

それでもどうしてもわからないときは、先生に質問していたようだ。



「わからないものを頭の中で転がしておく」ことができるのも勉強するうえでは

大事なことなのかなと、今この記事を書いているうちに思えてきた。

わからないものをすぐにわかった気がしてしまうよりいいのかもしれない。

でも、むずかしいな…。


author:おかじま, category:ある卒塾生の「勉強法」覚書, 23:33
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第2週 基礎を固める
「彼」の定期テスト勉強のつづき。

第一週で音読を中心に基礎を固めて、

第二週は、読む回数は少なくなるが、音読をさらに続けていく。

ただし毎日音読の時間は作っていた。

で、理社は、チェックペンで塗ったところを、シートをかぶせて、

わら半紙に答えを書いていく。教科書を穴埋め問題集のように使うわけだ。

間違えたものやわからなかったところは何度も書いて練習して覚える。

「彼」はわら半紙をなぜかいつも大量に持っていて、ノートは使わず、

バンバン書きまくっていた。

今の生徒なら、ホームセンターでコピー用紙を安く買ってくるのも手かなと思う。

まあとにかく、音読とチェックシートによる書き出しで、

テスト範囲の教科書はほぼ頭に入った状態になる。

そして英語は単語の暗記をだいたい済ませてあるので、

本文を書いて書いて書きまくっていた。

テストまでに10回以上は書きたいといつも「彼」は言っていた。

回数の問題じゃないだろうと言えば、

「単純作業の回数をこなして見えてくるものもある。

むやみに回数を増やしても仕方がない人もいるんだろうけど、

自分には必要なことなんだ」

と、あいもかわらず中学生らしくない答えが返ってきたものだ。

国語はこの時期、教科書本文の音読、漢字練習、文法が範囲にあれば、

ワークや問題集でものすごく簡単な(本当にすごく簡単な)問題から演習を始めていた。

数学はこの時期、関数だろうが図形だろうがとにかく

基本問題しか解かないと決めていたようだった。

第二週、つまりテストの3週間くらい前になると、

ぼつぼつ塾の自習室にもせいとがふえてきたものだ。

自習に来る生徒の多くは、とにかく問題を解けば勉強になると思っていたようだ。

そういった生徒たちを横目に、「彼」は基礎固めに没頭していた。

問題を解く「欲」のようなものを自分の中にためているようでもあった。
author:おかじま, category:ある卒塾生の「勉強法」覚書, 23:09
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読み込む
 「彼」のテスト勉強は、前の記事のとおり、4週間かけて準備するようになっていた。

まず、第一週は、社会と理科、そして英語の勉強がメインになる。

テスト範囲は自分で予測をつけておく。長めに考えておいて、

後から調整するということだった。仮テスト範囲を設定しておくわけだ。

社会と理科は仮テスト範囲の本文を通読する。最初は黙読だ。

そして、市販のチェックペンで覚えておきたいことを塗りつぶしていく。

塗りすぎても覚えきれないし、太字だけでは足りない。

テストにどう出るかを考えながら塗っていくと言っていた。

これが初日にやっておくこと。

次の日からは仮テスト範囲の教科書をひたすら音読。

とにかく音読。

「彼」いわく、5回から7回繰り返して読むと、だいたい頭に入ってくるらしい。

そこで「彼」は、毎日5回くらいずつ音読していた。

テストの4週間前だと自習室にほかの生徒はあまりいない。音読しやすい環境だ。

ほかの生徒の邪魔になりそうなときは、

塾バスの室内灯をつけて、バスの中で読んでいた。

そうして理社の基礎を作っていく。

英語は第一週で単語と基本文の暗記の徹底(これも音読メイン)をしていた。

このメインの勉強が終わると、国語の漢字練習、本文音読をして、

数学の基本問題を何題かといて、1日の勉強を終わりにしていた。

1日の勉強時間は3時間から4時間におさまっていた。

「彼」はとにかく第一週は音読をメインにして仮テスト範囲を読み込んでいた。


author:おかじま, category:ある卒塾生の「勉強法」覚書, 22:47
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まず計画をたてる、そして恐れを抱く
 「彼」はまず、定期テストの勉強を始める前に計画をたてる。

4週間かけて準備をするので、まずは、1週ごとにどうするか、

つづいて、一日一日何をするか、という感じで計画を立てていく。

「彼」は、計画なんかたてたって、計画通りに行くはずはないと別のところでは考えている。

それでも計画を立てるのだ。だから一日ごとのノルマは結構ゆるい。

最初の1週目は基礎固め。

次の第2週は基礎固め。

第3週は基礎を完璧にする。

さらに定期テストのレベルを超えた問題もできるくらいに勉強する。

第4週くらいには範囲が確定しているので、

学校のノートや、ワーク、プリント類を完璧にする。

そして、テスト前日は総仕上げ。

これだけ時間かけて準備しても、前日はほとんど寝ないで勉強していた。

「彼」は塾の自習室で夜を明かすのだ。

塾長(当時は私の父)は夜の2時くらいには自宅に戻って寝てしまう。

「彼」はそれでも勉強し続ける。

気づいたら朝日が昇っていたということもあったようだ。

そんなに前もって勉強したんだから、前日はゆっくり寝ればいいのにと言われると、

「彼」は決まってこう答えていた。

「怖いんだよ、どれだけ準備をしてもまだ怖いんだ。」

また、完璧に仕上がっているときほど、怖さは募るとも言っていた。

準備不足の時はあまり怖いと感じず、かえってテストで失敗するというのだ。

中学生にして、こういう考えで定期テストに臨むっていうのは、

ちょっと、ね、えーって思うところもなきにしもあらずなんだけど、

そのくらい本気で勉強できるってのも大事なのかなと、今になれば思わないでもない。

そのくらい本気の勉強をする生徒が現れてくれないかなという気持ちもどこかにある。

でも、徹夜の連発っていうのはやめといたほうがいいかもね。

「彼」をまねした当時のクラスメイトがいて、

そいつはテスト中にぶっ倒れて、テストが受けられなかったってこともあったんだ。

いやはや、なんとも、ね…。

author:おかじま, category:ある卒塾生の「勉強法」覚書, 23:17
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勉強法の前に思い出したこと
昨日の記事 で、ある卒塾生のことを書こうとして、

勉強のやり方のほかに思い出したことはいろいろあったんだけど、

結構変わったやつなんだよね。

まず、塾の宿題はまったくやらない。

「自分には必要ない」という何とも傲慢な理由。

授業態度は悪い。座る姿勢も悪いし、

教師が何かおかしなことを言ったらすぐに突っ込む。

中学時代はノートをとっていたけど、高校時代にはノートを持っていなかった。

中3の時には、中学校の先生が受験前の補習を学年全体で実施したときも、

「自分には必要ない」と出席しなかった。

ほんとひどいやつだよな。まさに「オレ流」。

もし今自分の生徒だったら無事に教えていられるかわからない。

こういう「彼」の勉強法がみんなの参考になるのかはわからないのだけど、

まあ、今後ちょっと書いてみようと思う。

author:おかじま, category:ある卒塾生の「勉強法」覚書, 16:58
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